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長野県知事 阿部守一
現代社会において、木や森と人との関係性が希薄になる中、県ではその再生を目指そうと平成30年(2018年)、「美しく豊かな木と森の文化再生・創造プロジェクト」を開始しました。
このプロジェクトは、県の総合計画である「しあわせ信州創造プラン2.0(H30~R4年度)」に掲げられた「チャレンジプロジェクト」の一つで、県民起点を基本として、「人生100年時代」、「イノベーション」、「持続可能性」を軸に、これからの時代を展望する基本概念として分野の垣根を超えた検討を行いました。
この結果として、持続可能で魅力的な地域社会を目指すことを基本とし、木や森に関する教育・試験研究機関等が集積している木曽・伊那地域において、「森林・木材関連の人材育成や研究開発等を行う創造の拠点『フォレストバレー』の形成」に向けた取組を開始することとしました。
木や森とともに暮らし、林業の歴史と伝統文化をつなぐ木曽谷と伊那谷は、関係機関が集まる「知の集積地」と呼べる地域でもあります。これらの関係機関が連携することで、質の高い学びの機会の提供と、知見を活かした産業支援を展開し、木や森のことを学びたい人材や起業を目指す人材が全国からこの地域に集い、交流することで、日本をリードする人材育成とビジネス創出の拠点地域へと成長を遂げるため、関係機関とともに、着実な取組を進めてまいります。
 

木曽谷・伊那谷フォレストバレー運営協議会会長 植木達人
「木曽谷・伊那谷フォレストバレー」の舞台となるこの地域は、古くから木や森とともに暮らし、その営みを継承してきた地域です。こうした地域の特徴を活かす形で、現在の木曽青峰高校の源でもある、国内で最初の林業科を持つ実業学校の「木曽山林学校」が明治34年に開校されたことを始まりとして、木や森に関する教育機関や試験研究機関が設置され、現在に至るまで多くの優秀な人材を輩出してまいりました。
木や森の学びを通じた様々な知見が集積している木曽谷・伊那谷には、他の地域には見られない強みがあります。ゼローカーボンや生物多様性保全の重要性が指摘され、森林や林業の社会的価値が見直されている現代社会においては、木や森と人との関係性の再生を目指す「木曽谷・伊那谷フォレストバレー」の取組はまさに機を得たものといえます。
この地で学んだ人材が全国の関連産業の中核を支える人材として活躍し、また、人材の交流によって新たな木や森の価値が創造され、社会の変革につながるようなイノベーションが創出されていく明るい未来に向けて、関係者一体となって取り組んでまいります。

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